(1) 日当たりの良い乾燥した山野、川岸に自生する落葉高木、樹皮は灰褐色で平滑、葉は2回偶数羽状複葉で7〜9対のほぼ対生する羽片があり、各羽片には小葉を15〜30対つける。
(2) 葉柄や葉軸に大きな腺がある。葉柄や小葉柄の基部は膨れていて、葉枕と呼ばれる。ネムノキ属で日本に自生するのは、オオバネムノキ・ヤエヤマネムノキである。
(3) 梅雨も中盤を過ぎる頃からネムノキが花を咲かせる。開花が間近にせまった蕾には、ピンク色の長い糸状の多数の雄しべと、1本の雌しべが折り重なって収まっている。
(4) 晴れた日の午後、日が傾いてくると花糸や花柱をピンと伸ばして、次々と花冠から飛び出す。葉は夜になると睡眠運動で下向きに閉じ、夕方から開いた花は翌日にはしぼんでしまう。
(5) 数個から数10個の小花が頭状花序に集まり、頂端の1花(頂生花)はがく筒が太く、花弁が長く、雄しべは比較的上部まで合生し、離生部はほぼ平開する。ほかの小花(側生花)の雄しべとはひときは目立つ。 |