森のカルチャー 山菜料理

時折、木漏れ日が差し込む山頂付近にあるビジターセンターに、ボランティアスタッフや受講生の21名が集まっていた。

今日は野山の恵みを味わう特別なイベントの日だ。スタッフ一同、事前に山菜を採取し、さまざまな下準備をしていた。塩漬けや冷凍にした山菜をはじめ、ピザ生地までも用意された。

そして本日。皆様が到着すると同時に、調理が始まった。キャンプファイアーを思わせる賑やかな空気に包まれながら、出番を待つ食材たちは、次々と演目を務めていく。

やがてお昼を迎え、食事の時間が訪れる。ニラうどん焼きに、イタドリの炒め物。山菜ごはんにはきくらげやミョウガの酢の物。さらに山菜ピザという新メニューも加わり、舌鼓を打つ賑わいとなった。みそ汁に野草の天ぷら、キャラブキやヨモギの和え物など、どれもが春の訪れを実感させる品々だ。デザートとハーブティーも忘れずに。

自然の恵みに感謝しながら味わう、この時間は格別。都会の喧騒から離れ、山の緑に抱かれながら食する。そんな体験に、参加者からは笑顔があふれていた。

食後には周辺を散策。小道を歩きながら、野草を観察したり山の風に耳を澄ませたり。五感で森の息吹を楽しむひとときだった。

この日、皆が自然の魅力を最大限に堪能できたのは、前もってスタッフ一同が準備を重ねてくれたおかげだ。山の恵みに感謝しつつ、それを活かし尽くす人々の工夫と心遣いが随所に現れていた。

最後に、森への感謝の気持ちを新たにしながら、次回のイベントを心待ちにしている参加者の姿があった。都会の喧騒から離れ、春の森の気配に想いを馳せられた、実りの季節の訪れを満喫できた一日となった。