刈払機点検と草刈り

今日は朝から蒸し暑い日…。そんな天気にも負けずに保全部員12名と研修生2名がやまぼうし小屋に集合しました。本日6月21日の保全作業は、来月に予定されている薬用植物園草刈り作業のための草刈機点検とやまぼうし周辺の草刈りです。

草刈機はメンテナンスができる保全部員を中心に、1台ずつ動作確認を行いました。 

いよいよ作業開始。今日は斜面の草刈りはベテラン部員に任せ、平地部分は日頃刈払機を使わない初心者部員が行いました。

時々アドバイスをもらいながら、慣れない手つきの部員たちもコツをつかむとスイスイと草を刈っていきます。お昼過ぎには作業は終了しました。

解散後、ベテラン部員たちは薬用植物園草刈り作業に向けての燃料準備と刈払機修理に車を走らせました。

霧雨の中の選択 保全作業にて

朝、空は鈍色に沈んでいた。雨とまでは呼べないが、空気には確かな湿り気があり、時おり頬に落ちる水滴が、まるで今日という日が試されているような気分にさせた。

それでも、人は集まった。定刻10時30分、研修生2名を含む16名がヤマボウシ小屋に顔を揃える。コーヒーの湯気がたちのぼり、菓子を齧る音が、曇天の静寂を破る。笑い声が飛び交い、一週間ぶりの再会を喜ぶ様子に、雨雲の下にも温もりがあった。

「歳を重ねると、また会える保証はないですからね」
誰かが言った言葉が耳に残った。それは冗談めいていたが、どこかで真実を孕んでいた。

本日の作業は、煌彩の森コースの点検と側溝の清掃の予定だった。ところが現地に着いてみると、状態は上々。枯れ木もなく、手を入れるべき場所が見当たらない。人員は16名。これでは、力を持て余してしまう。

その時、誰かが提案した。「東河内貯水池コースへ行ってみませんか?」

話はすぐにまとまり、7名と9名の二班に分かれて出発することになった。


東河内登山コース班は、作業現場までの距離が長かった。途中で一度水を口に含み、ようやく現場に辿り着く。森はしんと静まり返っており、こちらの訪れを警戒するように鳥たちの声も止んでいた。

標的となる伐木を確認した後、安全確認を済ませ、チェンソーのエンジンが森に火を灯したように響く。

ブン、ブン、ギギギ。
倒木の音が山にこだまし、伐られた木が倒れ込む。ドカンという音とともに、木屑が舞い、仲間の顔にまで届いた。
私たちは言葉少なに作業を続けた。木々の香りが強くなり、肺の奥まで清涼感がしみわたる。

昼食は広い登山道でとった。倒したばかりの木の下で、サンドイッチの味はなぜか格別だった。

問題箇所を次々にクリアしていき、気がつけば貯水池の近くまで来ていた。眼前に広がる整備された山道に、一瞬、達成感が心を満たした。

だが、喜びは長く続かなかった。帰路は登りだったのだ。
残された体力など、ほとんどなかった。足が攣る。呼吸が荒くなる。額から汗が落ちる。

それでも我々は歩いた。意地だった。ヤマボウシ小屋に戻った時、時計はすでに14時30分を過ぎていた。

その頃には、煌彩の森班はすでに戻っており、工具も片付けが進んでいたらしい。作業は午前中集中で側溝や階段の清掃に加え、新人研修生への作業説明もこなしていたという。

全員が揃ったあと、恒例の反省会が開かれた。確かに危険な場面はいくつかあったが、それを無言で終わらせないのが、我々の流儀だ。情報を共有し、次に備える。

帰りにちょっと寄り道に以前作業した場所をチェックし、草むらにあった山イチゴや木苺、小径に枝を出した山桜のさくらんぼを頬張る。酸味と甘味が疲れた身体に染みわたる。

さくらんぼ ほころぶ笑みと 別れ路

私はふと、朝に聞いた言葉を思い出した。

「いつか会えなくなる日が来るかもしれない」

今日という日は、そういう一日のひとつだったのかもしれない。
疲労と達成感と、ほんの少しの寂しさを抱えて、我々は森をあとにした。

帆柱パトロール

曇っていた。いや、私の心が曇っていたのかもしれない。
本日は帆柱パトロールの日であった。山に登る。ただ、それだけのことなのに、人はなぜか神妙な顔をする。もちろん私もそのひとりで、何か大いなることを成すような面持ちで、10時きっかりに麓の食堂前に立った。集まったのは、保全会員14名と、ボランティア研修生3名。合計17名。まるで何かの儀式でも始まりそうな奇妙な数字だ。

今回のコースは、だんだん広場から続く直登コースと、いくぶん優しさを含んだ迂回コースの二つ。どちらにしても、私たちにとっては馴染みが薄く、説明の段になると、誰もが自分の記憶を頼りに断定しようとするので、まるで迷宮の入り口で道を訊く者たちのようであった。会話は、かみ合わない。人生とは、そういうものかもしれない。

しかし、幸いにして、先頭をゆく案内人は確信に満ちていた。迷いを捨て、いざ出発。前夜の雨が山道をぬかるませ、ところどころ足を取られるも、引き返す者はいなかった。滑っても、転んでも、人は前に進むものらしい。

二手に分かれた我々は、黙々と立ち枯れる木々を見つけては、白いテープを巻きつけた。まるで、自分の存在をそこに留めるかのように。そして、テープには日付を記した。生きていた証、というには大げさかもしれないが、それに近いものだった。九本の木が、我らの訪れを受け止めた。

昼過ぎ、ヤマボウシの山小屋に到着。冷たいおにぎりも、黙って食べれば、それはそれでうまい。
反省会という名の内省の時間が設けられ、誰もが何かしらの「もう少しこうすればよかった」を抱えていた。

午後、我々は再び分かれた。下山パトロール班と、珍樹の森作業班。与えられた役割を果たすべく、それぞれの道を選んだ。それが正しいかどうかは誰にもわからない。ただ、その瞬間、私たちは「今日」という日を、確かに生きていたのだ。

帆柱山よ。今日も、ありがとう。
明日は晴れるだろうか。いや、心の天気が晴れてくれれば、それでいいのだ。

保全作業 ~屋根に挑む!自然を守る熱き一日~

本日5月10日、ほばしら自然公園愛好会・環境保全部の作業日。今回のミッションは、権現神社近くのあずま屋の屋根清掃と、木部への防腐処理です!

前日の強風と雨に「屋根に登れるかな…?」と不安もよぎりましたが、今朝はなんと青空が広がり、風は少々あるものの作業には支障なし。自然も我々の意気込みに応えてくれたようです。

さっそく、トウクワ、松葉箒、ハシゴ、ロープ、防腐剤、ブラシなど、頼れる相棒たちを準備。アスファルトの坂道を登り、権現山頂へと続く道の途中にある作業現場へ到着しました。

気合の入った部員たちは、役割分担もスムーズそのもの!屋根に登って落ち葉をかき出す者、安全を見守る監督、防腐剤を丁寧に塗る者──言葉を交わさずとも、長年培った連携プレーで、作業はあっという間に進みます。

数か月分の落ち葉が積もっていた屋根は、見違えるほどピカピカに。防腐処理もばっちり施し、木造構造をしっかりガード。冷たい風の中にもかかわらず、帰り道の部員たちの顔はどこか誇らしげ。自然の中で汗を流した清々しさが全身からにじみ出ていました。

自然を愛し、守る力強き仲間たちの一日。ほばしらの森は、今日も元気です!