第3回ほばしら探検隊

「いのちのたび博物館を探検」

2025年6月8日

雨が降りそうだけど、今日は博物館の中だから安心

いつもより、少し早く「いのちのたび博物館」前に集合

日曜日で他のお客さんもたくさんいます

館内での注意を聞き入館しました

石のけんびきょう観察

博物館の森先生に、けんびきょうの使い方を教えてもらって

小さな水晶を観察

その後

どんなものが、どうやって保存 保管されているか竹下先生から説明を聞き、バックヤードへ

エタノールやホルマリンなどの薬剤の匂いに「ウッ!」とか「オエッ!」なる子もいましたが

大きな搬入用のエレベーターにも乗れて 貴重な体験でした

館内自由に見学しました

霧雨の中の選択 保全作業にて

朝、空は鈍色に沈んでいた。雨とまでは呼べないが、空気には確かな湿り気があり、時おり頬に落ちる水滴が、まるで今日という日が試されているような気分にさせた。

それでも、人は集まった。定刻10時30分、研修生2名を含む16名がヤマボウシ小屋に顔を揃える。コーヒーの湯気がたちのぼり、菓子を齧る音が、曇天の静寂を破る。笑い声が飛び交い、一週間ぶりの再会を喜ぶ様子に、雨雲の下にも温もりがあった。

「歳を重ねると、また会える保証はないですからね」
誰かが言った言葉が耳に残った。それは冗談めいていたが、どこかで真実を孕んでいた。

本日の作業は、煌彩の森コースの点検と側溝の清掃の予定だった。ところが現地に着いてみると、状態は上々。枯れ木もなく、手を入れるべき場所が見当たらない。人員は16名。これでは、力を持て余してしまう。

その時、誰かが提案した。「東河内貯水池コースへ行ってみませんか?」

話はすぐにまとまり、7名と9名の二班に分かれて出発することになった。


東河内登山コース班は、作業現場までの距離が長かった。途中で一度水を口に含み、ようやく現場に辿り着く。森はしんと静まり返っており、こちらの訪れを警戒するように鳥たちの声も止んでいた。

標的となる伐木を確認した後、安全確認を済ませ、チェンソーのエンジンが森に火を灯したように響く。

ブン、ブン、ギギギ。
倒木の音が山にこだまし、伐られた木が倒れ込む。ドカンという音とともに、木屑が舞い、仲間の顔にまで届いた。
私たちは言葉少なに作業を続けた。木々の香りが強くなり、肺の奥まで清涼感がしみわたる。

昼食は広い登山道でとった。倒したばかりの木の下で、サンドイッチの味はなぜか格別だった。

問題箇所を次々にクリアしていき、気がつけば貯水池の近くまで来ていた。眼前に広がる整備された山道に、一瞬、達成感が心を満たした。

だが、喜びは長く続かなかった。帰路は登りだったのだ。
残された体力など、ほとんどなかった。足が攣る。呼吸が荒くなる。額から汗が落ちる。

それでも我々は歩いた。意地だった。ヤマボウシ小屋に戻った時、時計はすでに14時30分を過ぎていた。

その頃には、煌彩の森班はすでに戻っており、工具も片付けが進んでいたらしい。作業は午前中集中で側溝や階段の清掃に加え、新人研修生への作業説明もこなしていたという。

全員が揃ったあと、恒例の反省会が開かれた。確かに危険な場面はいくつかあったが、それを無言で終わらせないのが、我々の流儀だ。情報を共有し、次に備える。

帰りにちょっと寄り道に以前作業した場所をチェックし、草むらにあった山イチゴや木苺、小径に枝を出した山桜のさくらんぼを頬張る。酸味と甘味が疲れた身体に染みわたる。

さくらんぼ ほころぶ笑みと 別れ路

私はふと、朝に聞いた言葉を思い出した。

「いつか会えなくなる日が来るかもしれない」

今日という日は、そういう一日のひとつだったのかもしれない。
疲労と達成感と、ほんの少しの寂しさを抱えて、我々は森をあとにした。

深緑で森林浴–第2回植物観察会

今日は、6月1日!西井田光広先生にご指導いただきました。参加者は20名(うち初参加5名)、スタッフは11名、研修生は4名の計36名でした。]

今回も快晴のお天気に恵まれ、気持ち良い新緑の中、植物観察会スタート。
VCにて、先生の資料のハンカチノキの座学を始める。雄花、雌花の違いの説明や、名前の由来の白いものは、花びらではなく葉が変形した苞葉(ほうよう)であり、10年以上の正木にならないと「ハンカチ」ができないなど。


VC前で準備体操のあと、オオヤマレンゲとウケザキオオヤマレンゲが見頃を迎えていたので、急きょVC下の植物園に見学へ。ウケザキオオヤマレンゲが満開で可憐で美しかった。
VCの周りはウツギ、ヤマボウシ、エゴの花が満開で、特に今年は花芽が多く、足元は落ちた花の絨毯になっていて、参加者たちは感動していた。


皿倉平へ向かってゆっくり進み、皿倉平でもヤマボウシ、カマツカ、ガマズミ、イヌシデなどの樹木がたくさんのツボミや花をつけて綺麗だった。
権現周回路を通り山頂へ。途中、クマノアシガタ、キツネノボタン、カノコソウ、ナルコユリなどが咲き乱れて、参加者たちは可愛いを連呼して楽しんでいた。


権現山山頂、ピクニック日和の空の下で、昼食を済ませ、ゆっくり林道を下り、14時皿倉平で解散。


初参加の参加者からは、知らなかった自然の世界を知ることができて、視野が広がった。これからは、皿倉山に頻繁に登って来たいと嬉しい言葉が聞かれ、もっと回数を増やしてほしいなどの意見もあり、満足していただいて、植物観察会を終えることができた。

雨と刃と、静かな一日

朝から空は重く、灰色の帳が山を覆っていた。天気予報は数日前から、正確に雨を告げていた。

保全作業の日。だが、私たちはすでに知っていた。今回は、山には入れない。代わりに小屋での内業——鎌研ぎに切り替える旨は、前もって連絡していた。

午前九時。ヤマボウシ小屋に、部員九名が集まった。
誰もが雨を恨めしく思っていたが、口には出さない。ただ、どこかしら落ち着かない表情が互いに読み取れた。

砥石を水に浸す。沈黙の中、湿った石の感触が手に伝わる。
気が乗らぬまま刃を当てると、金属が石に擦れる音が、小屋の静けさを裂いた。

それでも、不思議なものである。
砥いでいくうちに、刃の曇りが落ち、少しずつ心も澄んでくる。
無言のまま作業に没頭すること約一時間。27本の鎌が、見違えるほど光を取り戻していた。

外の雨は止まない。
けれども、その刃の輝きに、私たちは少し救われたのかもしれない。

昼食も、言葉少なに黙々と摂った。
湿り気を含んだ空気が、小屋の中にも静かに流れていた。

作業は終わり、各々が静かに解散していった。
背を向けた山の稜線は、霧に沈んだままだった。

——雨の日には、刃を研ぐ。それもまた、山の仕事である。