春の気配に包まれて――国見岩・東河内登山道とせせらぎ遊歩道を歩く

寒さが少しずつ和らぎ、春の気配が感じられ始めた3月14日。「国見岩・東河内登山道とせせらぎ遊歩道を往く」健康登山が開催されました。

参加者32名、スタッフ13名。参加者の半数が70代ということもあり、落ち着いた雰囲気かと思いきや、出発前からあちこちで明るい会話が弾み、リピーターの増加も感じられる和やかなスタートとなりました。

歩き始めてほどなく、早咲きのシナミザクラが私たちを出迎えてくれます。だんだん広場では河津桜も見頃を迎え、春の彩りが一行の足取りをさらに軽くしてくれました。国見岩登山道へ入ると、ヤブ椿やアオキの赤い実が目に入り、季節の移ろいを実感します。

洞見平では、咲き始めた馬酔木が静かに春の訪れを告げていました。参加者の皆さんの足取りも軽やかで、気づけば一気にさくら広場へ。空は澄み渡り、その先には福智山、さらに英彦山、そして霞の向こうには由布岳の姿まで望むことができ、思わず歓声が上がりました。

河内へと下り、昼食でひと息ついた後は、趣ある河内貯水池の石組み堰堤を眺めながら、せせらぎ遊歩道へと進みます。途中、亜字池に残るツタの絡まる石組みのポンプ小屋が一行の目を引き、歴史を感じる風景に足を止める場面もありました。

吊り橋の階段で記念写真を撮影し、いよいよせせらぎ遊歩道へ。初めて訪れる方も多く、清らかな水音とともに歩く道は新鮮な驚きに満ちていました。大蔵まで歩くと、集落の庭先に咲く花々が優しく迎えてくれ、最後まで春の彩りを楽しむことができました。

解散地の溝上酒造に到着すると、ちょうど酒蔵開きで賑わいを見せており、多くの人で活気にあふれていました。解散後は、新酒を味わう人、大蔵バス停へ向かう人、さらに3kmを歩いてケーブル駅まで戻る人と、それぞれの楽しみ方で一日を締めくくります。

春の訪れを全身で感じながら、自然と人との温かさに触れた今回の登山。心地よい疲れとともに、また次回への期待が膨らむ、そんな一日となりました。

保全作業 大蔵登山道🌲

3月7日。
昨日の雨も、いつの間にか止みました。
少し肌寒い朝の皿倉山。ヤマボウシ小屋には、12人の仲間が集まります。
今日の保全作業は、大蔵登山道コース。
2月のパトロールで見つけた課題を、一つひとつ確かめながらの作業です。

「ここには頂上方面への標識を」
「この横断溝は掘り直そう」
「階段も2本、しっかり直しておこう」
みんなで確認を終えると、道具を肩に森の中へ出発しました。

落ち葉や土砂に埋もれてしまった横断溝。
唐鍬を手に、それぞれが腰をかがめ、丁寧に掘り起こしていきます。
水がまた気持ちよく流れるように――
静かな森の中で、コツン、コツンと土を削る音が響きます。

続いては階段の整備。
運んできた2本の横木を使い、ぐらついた足元をしっかりと直していきます。
登山道を歩く人たちが、安心して足を運べるように。

二つの仕事が終わるころ、時計の針はもう正午を過ぎていました。
短い昼食でひと息ついたあと、今度は2チームに分かれて作業です。
ひとつのチームは山側の土を削り、登山道を広く。
もうひとつのチームは、伸びてきた笹の葉を刈り、歩きやすい道に。

みんなの力を合わせて、今日の保全作業も無事に終了。
帰り道、ふと見上げると――
道ばたの河津桜が、見事に咲いていました。
「おつかれさま」
そんなふうに、やさしく声をかけてくれているようでした。

午後2時すぎ。
ヤマボウシ小屋へ到着。
道具をきれいに洗い、元の場所へ丁寧に片付けます。
これもまた、保全部員の大切な仕事。

朝から歩き、掘り、直し、刈り、整えてきた登山道。誰かに見せるためでも、褒めてもらうためでもありません。
ただ、次にこの道を歩く人が少しだけ歩きやすくなるように。
この山が、これからも気持ちよく迎えてくれるように。

静かな大蔵登山道には、今日も12人の小さな力のあとが残りました。(T.Y)

第5回植物観察会 –春を呼ぶ早咲きの花々

「春に三日の晴れなし」という気象のことわざがあるように、コロコロ変わる天候の中、ちょうど合間の晴天に恵まれ、講師香月茂樹先生、スタッフ8名、一般参加者27名、総勢36名が早春の花たちに会うのを楽しみに、ケープカー山麓駅に集まりました。
全員揃ってビジターセンターに進み、講師紹介、スケジュール、コース、注意事項などを説明。
先生が用意してくださった資料「早春の山野草」をもとに座学が始まりました。


観測史上例を見ない全国的な異常気象。皿倉山においても、山上駅の改造、山頂付近の施設の改造・新築などにより、来客の増加と環境のバランスが懸念され、自然界に影響を与えているようです。
今から出会う植物や木の実の特徴、生息地域、歴史的背景の説明に参加者の皆さんは資料を見ながら真剣そのもの。興味深い話もあり、自然の変化を感じる方も多かったようです。
座学の後、準備体操を済ませ、薬用植物園に向かって出発。


早春とはいえ、肌寒い冬枯れの季節、オオイヌノフグリ以外の小花たちはまだまだ顔を出してくれません。
その代わり、アオキ、シロダモ、ネズミモチ、ヤシャブシなどの木の実たちがたわわに実っていました。


散策中は唯一アオキの赤い実が皿倉山の緑に映えていましたが、薬用植物園では一転、カワヅザクラが満開を迎えつつあり、サザンカ、ワビスケなど色鮮やかな風景が展開し、皆んな一斉に声をあげて喜んでいました。
薬用植物園ではセリバオウレンやカラタチバナ、ミツマタが可憐に咲いていました。
皿倉平に戻り解散。寒い中、熱心な参加者の皆さんと早春の皿倉山を散策し、花ウォッチングの醍醐味を味わうことができました。
皆さんお疲れ様でした。