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皿倉山ビジターセンター

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Hobashira Nature Park Protection Association

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森の不思議

  • 第42話・竹にまつわる伝説など・かぐや姫の姓名は・?
  • 第41話・裸子植物は主に樹脂を、被子植物は乳液を滲出
  • 第40話・植物の性転換は時間がかかります
  • 第39話「葉の呼吸こそ大気浄化の最先端です」
  • 第38話「不思議な繁殖形態をとる花のさまざま」
  • 第37話「植物にも五感があるのですか?  ・・あるのです。」
  • 第36話「オオバコは特異な生態で繁栄をはかっています」
  • 第35話「樹皮が傷ついたり、葉が食害にあったときの処置は・・?  病原菌も怖い存在です」
  • 第34話「他のドングリとは違ったマテバシイの生存戦略」
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  • 第20話「空気中の窒素と「植物・食物」とのかかわり」
  • 第19話「樹木は年々成長・太るのはどの部位でしょうか・・」
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  • 第17話「旅立ちはしたものの、着地点の種子は大丈夫か」
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  • 第11話「帆柱山系にはスギ林が多いのに、なぜ稚樹が芽生えないのか・・・?」
  • 第10話「落葉樹と常緑樹のいろんな特性」
  • 第9話「落葉樹の言い分、常緑樹の言い分」
  • 第8話「アザミの花粉放出の巧妙な仕掛け」
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  • 第6話「樹木同士がくっつく珍奇な現象を観察」
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  • 第4話「ネムノキはなぜ眠るのか・・?」
  • 第3話「イヌビワとイヌビワコバチとの共生関係」
  • 第2話「竹にまつわる不思議とは..?」
  • 第1話「蛎殻のついた岩」

植物談義

  • 第一話「八重ヤマブキの花はなぜ実をつけないのか?」
  • 第2話「マムシグサの雄花・雌花は転換します」
  • 第3話「ウツギやアジサイは同じようであって、同じでない・・のです」
  • 第4話「植物も昆虫も、花なしでは生き残れない」
  • 第5話「近辺には迷惑な植物も多いのです・・」
  • 第6話「植物は独立栄養、動物などは従属栄養で生きている」
  • 第7話「人生いろいろ、紅葉・黄葉もいろいろ」
  • 第8話「帆柱山系の樹木は百年以上も二酸化炭素を吸収」
  • 第9話「年の初めは「松竹梅」からスタート」
  • 第10話「帆柱山系に春到来、開花のトップはツバキ類」
  • 第11話「葉っぱの主脈・側脈は手相みたいなもの・・です」
  • 第12話「帆柱山系のサクラの名所を訪ねてみませんか」
  • 第13話「江戸時代・日本産植物にまつわる外国人の活躍の様子」
  • 第14話「帆柱山系の皇后スギ林の遺伝子は実生か、さし木か」
  • 第15話「木の文化の伝承こそ、森林を生き返らせるみちです」
  • 第16話「鎖国の時代も羨望の的であった日本の植物」
  • 第17話「シロダモの雌木はなぜこんな苦労をするのか」
  • 第18話「新春の植物談義は縁起物からスタートです」
  • 第19話「唐草のデザインはつる性植物を描いたものです」
  • 第20話「土筆はスギナの子か?・・団栗は坊ちゃんか?」
  • 第21話「植物の養分吸収は二系統あり・・そのちがいは」
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  • 第28話「 花の色と昆虫の好みと、共進化のあゆみ」
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第13話「江戸時代・日本産植物にまつわる外国人の活躍の様子」

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学名の発表は、日本の植物熱を高めていった・・植物ハンターの来日・・

 1635年邦人の海外渡航と帰国を厳禁。徳川幕府は1636年に長崎に出島を構築し、蘭人と中国人のみの貿易は可とするも、他の外国交易を禁止し鎖国政策を完成させた。

 出島商館に勤務する医者は次々と交代したが、その中でも有名なケンペル・ツンベルク・シーボルトの3人の活躍は、先に記述した「鎖国の時代も羨望の的であった日本の植物」の中で述べたが、今回は鎖国の時代から開国にかけて、自生する植物とプラントハンターにまつわるロマンが中心課題である。

 外国人の手をえて移出された植物は、分類学上の学名を付すことで、ヨーロッパ社会で認知されるようになり、国産植物はますます人気を高めていった。

1.植物の学名に残る外国人との因縁話 #

1.海峡を隔てた日英間のロマンは、常緑樹のアオキが主人公 #

  1775年に雌木だけが日本から移出されたが、常緑性であることからイギリスでは人気植物となる。何とかして赤い実をつけさせようと、雄木の収集目的でロンドンの園芸協会から 派遣されたのが「R・フォーチュン」である。

 1860年イギリスに届いた雄木は、1864年に真紅の実をつけ一般に公開されたという。 雌木と雄木の交流は何と90年もかかって花粉交配に成功。求める人の執念が感じられる。 アオキを初めて学会に報告したのは、出島のオランダ商館医ツンベルクである。

 ミズキ科・アオキ属・アオキは、関東以西から沖縄に分布、常緑低木で葉は対生、粗い鋸歯縁、4~5月開花、雌雄異株、(学名:Aucuba japonica Thunb.・・ツンベクの名が残る)

 その他にもツンベルクの発表した植物は、ハコネウツギ、ヒサカキ、サザンカなどで、ツバキ科・ツバキ属・サザンカの学名に、Camellia sasanqua Thunb.とツンベクの名が残る。

アオキの雄花
アオキの雌花
ヒサカキの雄花
ヒサカキの雌花

2.函館とロシアを結ぶ師弟愛は、イヌシデ等に刻まれる #

  ロシアのマクシモビツチは若い頃から植物採集の探検に参加。「アムール地方植物誌」を出版。1860年に函館に到着。以降日本の植物調査を目的にして函館~横浜~長崎で植物採 集したあと、14ヶ月の滞在であったが喜望岬を経由して1864年にペテルブルクに戻る。

 函館滞在時に助手として雇われた須川長之助は、西洋式の採集法や標本作成を学び、日本のプラントハンターとして精力的に植物採集を行う。マクシモヴィッチがロシヤに帰った後も、長野・岩手・秋田・青森方面で採集した植物標本をペテルブルクに送り続けたという。

 マクシモヴィッチは彼の功績に報いる意味もあってか、「長之助種」として学名に残したことは、日露間の師弟愛の現れだと感じている。

 カバノキ科・クマシデ属・イヌシデは、本州~九州~朝鮮~中国に分布、落葉高木、葉は互生、鋭鋸歯縁、4~5月開花、雌雄同株、(学名:Carpinus tschonoskii Maxim.・・・長之助の名が残る)

3.シーボルトとミュヘン大学のツッカリーニの共同発表 #

  シーボルトが収集した植物の分類学的な研究は、ほとんどミュヘン大学教授ツッカリーニに依頼したことから「et Zucc」と共同者の命名となっている。(Zuccariniの略)

 マンサク科・イスノキ属・イスノキは、本州西南部~沖縄~中国に分布、常緑高木、有柄で互生、革質で全縁、4~5月開花、両性花は上部に雄花は下部につく雌雄同株。

(学名:Distylium racemosun Sieb ・et Zucc ・・・シーボルトとツッカリーニの連名)

キブシの雌花
キブシの雄花

シーボルトの発表した植物は、キブシ・ノリウツギなどの他、相当数にその名を残す。

4.C・Sサージェントは樹木学の権威 #

 1892年渡来、アメリカのアーノルド樹木園園長でプラントハンター。樹木学の権威者は 東北~北海道を旅行。日本の針葉樹を研究し、後に「日本森林植物誌」を著作。

 バラ科・サクラ属・オオヤマザクラは、本州中部~北海道に多く分布、落葉高木、葉は互生、 葉柄上部に蜜腺2個、三角状単鋸歯、4~5月開花、(学名:Prunus sargentii Rehd)

2.英国公使館の日本語書記官・アーネストサトウの功績 #

  1862年に19歳で通訳生として来日、その後書記官となる。1882年に離日するまでの約17年間滞在し、その間に数十回の国内旅行を行った時の様子を「中部・北部日本旅行案内」として出版。ガイドブックとしての役割をはたす。他にも多くの論文を発表。

 有能な外交官であった彼は、明治維新の際に幕藩体制の存続と薩長連合の新政権構想の対立に間近に接し、英国をして辿るべく道筋を誘導したのは彼の功績によると言われている。  「一外交官の見た明治維新」は維新史の重要史料。

 武田かねとの間に生まれた次男、武田久吉は東京外大卒から英国へ留学、バーミンガム大学卒後キュー植物園で研究、理学博士に。学位論文は「色丹島植物誌」にみられるように高山植物が専門である。

 約220年間の鎖国は、国内での植物学や分類学の遅れをもたらし、持ち出された植物の学名は、採集した外国人の名前が大半である。日本人の発表は明治中期以降のことになる。一方の見方は、いち早くヨーロッパ諸国に日本の植物が知れわたったことは、大きな利得だとしながら鎖国政策の損得を計りたいものである。

(文責:田代 誠一)

【参考資料】

プラントハンター  白幡洋三郎著 講談社

ジャポニカ百科事典  植物の世界 里帰りの植物たち 堀田満著

牧野日本植物図鑑  牧野富太郎著 北隆館 ほか

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Table of Contents
  • 1.植物の学名に残る外国人との因縁話
    • 1.海峡を隔てた日英間のロマンは、常緑樹のアオキが主人公
    • 2.函館とロシアを結ぶ師弟愛は、イヌシデ等に刻まれる
    • 3.シーボルトとミュヘン大学のツッカリーニの共同発表
    • 4.C・Sサージェントは樹木学の権威
  • 2.英国公使館の日本語書記官・アーネストサトウの功績

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