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皿倉山ビジターセンター

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Hobashira Nature Park Protection Association

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森の不思議

  • 第42話・竹にまつわる伝説など・かぐや姫の姓名は・?
  • 第41話・裸子植物は主に樹脂を、被子植物は乳液を滲出
  • 第40話・植物の性転換は時間がかかります
  • 第39話「葉の呼吸こそ大気浄化の最先端です」
  • 第38話「不思議な繁殖形態をとる花のさまざま」
  • 第37話「植物にも五感があるのですか?  ・・あるのです。」
  • 第36話「オオバコは特異な生態で繁栄をはかっています」
  • 第35話「樹皮が傷ついたり、葉が食害にあったときの処置は・・?  病原菌も怖い存在です」
  • 第34話「他のドングリとは違ったマテバシイの生存戦略」
  • 第33話「嫌われもののクサギも、昆虫は花の香りが好き」
  • 第32話「虫こぶ(虫えい)はどうしてできるのですか」
  • 第31話「アカメガシワは自然繁殖の先駆者です」
  • 第30話「ヤマノイモは真似できない繁殖法を採用」
  • 第29話「日本のヒガンバナは種子ができない・中国のは」
  • 第28話「ドクダミ科は不思議な要素を含んだ植物です」
  • 第27話「謎めいたショウジョウバカマの生態」
  • 第26話「アレロパシーとは他の植物を阻害・促進する作用」
  • 第25話「遺伝子操作原理などを発見した米英3氏にノーベル医学生理学賞を授与」
  • 第24話「幻の植物『熊谷草と敦盛草』のゆくえ」
  • 第23話「がま よし あし の生活戦略」
  • 第22話「植物の特異な性質」
  • 第21話「人間の呼吸、植物の『呼吸と光合成』のちがい・・」
  • 第20話「空気中の窒素と「植物・食物」とのかかわり」
  • 第19話「樹木は年々成長・太るのはどの部位でしょうか・・」
  • 第18話「どんぐりは落葉と常緑の二通りの子どもです」
  • 第17話「旅立ちはしたものの、着地点の種子は大丈夫か」
  • 第16話「種子の旅立ちには風・水・動物などが関係」
  • 第15話「草本の帰化植物は多いが、なぜか帰化樹木は少ない」
  • 第14話「イチョウの葉は広葉であっても広葉樹ではない・?」
  • 第13話「フィトンチッドと森林浴の関係について」
  • 第12話「ブルーマウンテン現象には複雑な要因がからむ」
  • 第11話「帆柱山系にはスギ林が多いのに、なぜ稚樹が芽生えないのか・・・?」
  • 第10話「落葉樹と常緑樹のいろんな特性」
  • 第9話「落葉樹の言い分、常緑樹の言い分」
  • 第8話「アザミの花粉放出の巧妙な仕掛け」
  • 第7話「今回はトゲトゲしい刺の話・・です」
  • 第6話「樹木同士がくっつく珍奇な現象を観察」
  • 第5話「南の島から渡来するアサギマダラ蝶の不思議・・・?」
  • 第4話「ネムノキはなぜ眠るのか・・?」
  • 第3話「イヌビワとイヌビワコバチとの共生関係」
  • 第2話「竹にまつわる不思議とは..?」
  • 第1話「蛎殻のついた岩」

植物談義

  • 第一話「八重ヤマブキの花はなぜ実をつけないのか?」
  • 第2話「マムシグサの雄花・雌花は転換します」
  • 第3話「ウツギやアジサイは同じようであって、同じでない・・のです」
  • 第4話「植物も昆虫も、花なしでは生き残れない」
  • 第5話「近辺には迷惑な植物も多いのです・・」
  • 第6話「植物は独立栄養、動物などは従属栄養で生きている」
  • 第7話「人生いろいろ、紅葉・黄葉もいろいろ」
  • 第8話「帆柱山系の樹木は百年以上も二酸化炭素を吸収」
  • 第9話「年の初めは「松竹梅」からスタート」
  • 第10話「帆柱山系に春到来、開花のトップはツバキ類」
  • 第11話「葉っぱの主脈・側脈は手相みたいなもの・・です」
  • 第12話「帆柱山系のサクラの名所を訪ねてみませんか」
  • 第13話「江戸時代・日本産植物にまつわる外国人の活躍の様子」
  • 第14話「帆柱山系の皇后スギ林の遺伝子は実生か、さし木か」
  • 第15話「木の文化の伝承こそ、森林を生き返らせるみちです」
  • 第16話「鎖国の時代も羨望の的であった日本の植物」
  • 第17話「シロダモの雌木はなぜこんな苦労をするのか」
  • 第18話「新春の植物談義は縁起物からスタートです」
  • 第19話「唐草のデザインはつる性植物を描いたものです」
  • 第20話「土筆はスギナの子か?・・団栗は坊ちゃんか?」
  • 第21話「植物の養分吸収は二系統あり・・そのちがいは」
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  • 第33話「動きが顕著なツル性植物のいろいろ」
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第5話「南の島から渡来するアサギマダラ蝶の不思議・・・?」

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 森林には不思議なことがらが埋もれています。植物生理や繁殖・成長の仕組み・特異な機能・昆虫との共生など、わからないこと、不思議なことがたくさんあります。

アサギマダラ・皿倉山

 森の不思議も5回目ですが、不思議さの受け取りかたは人それぞれです。どっちかと言えば緑化とか森林とか温暖化などに関心がないと、「森の不思議」が湧いてこないのではないでしょうか。

 さて、今回は皿倉山でも観察される「アサギマダラ蝶」に関する不思議な生活が課題です。この蝶は春には南方から北上し、秋には南方に帰っていく習性があります。  渡り鳥の話はよく聞くのですが、蝶にも渡りの習性があることを知った当初は、ただビックリするばかりでした。本当に不思議な昆虫ですねェー。 

1.18世紀以降の研究成果は今に続く..? #

 ファーブル昆虫記(1879~1907間に全10巻を出版)やメンデル(1822~1884)の法則などは、少年期を思い出させる書籍のひとつです。昆虫記は今でも拾い読みするくらいです。

 ファーブル先生の50数年間の細かな観察記録が役立っています。

 18世紀以降生物界の研究は、リンネ(1707~1778)の24綱分類体系・エングラー(1844~1930)の世界の植物の研究と体系的整理、ダーウィン(1809~1882)の進化論。

 日本では平瀬作五郎によるイチョウの精子発見(1896)、牧野富太郎(1862~1957)の植物分類など、各分野での研究成果は今に続く功績として世界的に役立っています。

 ところで蝶出現の歴史は、約46億年前の地球誕生以降、蝶の食餌植物が生える時代まで遡ることになります。幼虫はキジョラン属・カモメヅル属などが食草です。

 食糧となる被子植物は、中生代の白亜紀(1億4千万~6千5百万年前)に出現したのですが、食草の進化に並行して、昼行性の蛾の一部が蝶として進化してきたと言われています。

 この地球上では約180万種の生物が記録されていますが、植物が三分の一、昆虫が三分の一、動物が三分の一ぐらいとする見方があります。その中で種子植物は植物の半分以上の30万余種を占め、裸子植物は僅少で被子植物が大半を占めています。昆虫類にとっては、大量の食餌植物の中で繁栄が図られたのではないでしょうか..?

 蝶と蛾は昆虫の中では鱗翅目に属し、蝶は昼間の活動を、蛾は主として夜の活動に適応してきたものと言われています。夜行性の蛾の種類は蝶の数十倍にもなります。

2.蝶の種類と不思議な習性(アサギマダラについて)・・? #

 蝶の種類は世界に1万数千種、日本には約240種が土着しているといわれています。帆柱山系とその近辺では約70種が確認されていますが、その内の20種は帆柱自然公園愛護会のホームページに掲載しています。なお当地における蛾は約1200種の棲息数が確認されていますが、鱗翅目の昆虫はなぜ夜行性の方が多いのでしょうか、不思議です。

 特に、アサギマダラについては不思議なことがらが次つぎとでてきます。

(あ)アサギマダラはなぜ南北間の渡りをするのでしょうか。春には北方に上り、秋には南に帰っていく習性は、他の蝶に見られない生活様式です。

(い)あの小さな躰のどこに方向を見定める機能があるのか。伝承鳩の帰巣性にも似た何かを持っているのでしょうか・・?

(う)最も不思議でならないのは、旅の途中で生まれた蝶が渡りを続けることです。親蝶から何かを受け継いでいないことには行く先が定まらないと思うのですが・・?

(え)雌蝶は幼虫の食草に卵を産みつけるのですが、必要な植物の判定ができる機能には感心させられます。親蝶の経験を伝えていく仕組みは種族の繁栄そのもののようです。

(お)移動の習性は、モンシロチョウやイチモンジセセリチョウにもありますが、アサギマダラのように遠距離ではありません。前者が近中距離に対して、アサギマダラは種子島から福島県までの千㎞を越える旅が記録されています。

3.アサギマダラの研究は始まったばかり・・ #

キジョラン・皿倉山

 1960年頃までは北海道でも土着の蝶であると考えられていました。ところが、アサギマダラは常緑性キジョランが食草であり、しかも越冬することなどから冬季に食草がない東北地方以北や高山地帯で棲息できないことが明らかになったのです。 

 他の蝶との生活様式の違いは研究課題となり、多くの関係者が取り組んでいるのですが、マーキング調査が始まったのは1980年からで、放蝶~捕獲の研究成果が待たれるところです。 

 現時点で長距離移動の要因は何であるかを追求した研究成果は、推測の域をでないのですが、その中の関心事を何項目か取り上げてみました。

(あ)春は北へ、秋は南に向かって渡る「定方向への移動性」が認められていますが、その移動に気流を利用する能力があるのではないかと・・・。

(い)移動の要因に気温が関係していることは確かなようです。春や秋は低地で、夏は高地でよく見かけるのですが、真夏に南西諸島で見ることができないのも温度が関係していると思っています。

(う)食餌植物の繁殖状況が、蝶の移動に関連しているようです。寒冷地の落葉性食草に期待することはできないので、なが居は無用で南方への移動は納得できます。

 モンシロやイチモンジセセリでは次の食餌を求めて移動することが確認されています。

 アサギマダラの生態について研究を続けられている先生方のご努力に期待しつつ、新しい情報が得られれることを期待しています。

【 参考文献:蝶の生態と観察・福田晴夫・高橋真弓著・築地書館 :蝶の生活と自然・長谷川順一著・栃の葉書房 :蝶ウオッチング百選・師尾 信著・晩声社 :他

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Table of Contents
  • 1.18世紀以降の研究成果は今に続く..?
  • 2.蝶の種類と不思議な習性(アサギマダラについて)・・?
  • 3.アサギマダラの研究は始まったばかり・・

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