コンテンツへスキップ
皿倉山ビジターセンター

皿倉山ビジターセンター

Hobashira Nature Park Protection Association

  • 皿倉山VC
  • チャレンジ55
    • 登山コースと帆柱山系
  • 年間行事
    • イベントタイムライン
      • 帆柱探検隊
      • 植物観察会
      • 健康登山
      • 森のカルチャー教室
      • 野鳥観察
      • 清掃登山
  • 愛護会について
    • 事業部会
    • ガイド部会
    • 環境保全部会
    • 植生管理班
  • 入会のご案内
    • 正会員
    • 賛助会員
    • 賛助特別会員
  • 博士の自然講座
  • 正会員専用

森の不思議

  • 第42話・竹にまつわる伝説など・かぐや姫の姓名は・?
  • 第41話・裸子植物は主に樹脂を、被子植物は乳液を滲出
  • 第40話・植物の性転換は時間がかかります
  • 第39話「葉の呼吸こそ大気浄化の最先端です」
  • 第38話「不思議な繁殖形態をとる花のさまざま」
  • 第37話「植物にも五感があるのですか?  ・・あるのです。」
  • 第36話「オオバコは特異な生態で繁栄をはかっています」
  • 第35話「樹皮が傷ついたり、葉が食害にあったときの処置は・・?  病原菌も怖い存在です」
  • 第34話「他のドングリとは違ったマテバシイの生存戦略」
  • 第33話「嫌われもののクサギも、昆虫は花の香りが好き」
  • 第32話「虫こぶ(虫えい)はどうしてできるのですか」
  • 第31話「アカメガシワは自然繁殖の先駆者です」
  • 第30話「ヤマノイモは真似できない繁殖法を採用」
  • 第29話「日本のヒガンバナは種子ができない・中国のは」
  • 第28話「ドクダミ科は不思議な要素を含んだ植物です」
  • 第27話「謎めいたショウジョウバカマの生態」
  • 第26話「アレロパシーとは他の植物を阻害・促進する作用」
  • 第25話「遺伝子操作原理などを発見した米英3氏にノーベル医学生理学賞を授与」
  • 第24話「幻の植物『熊谷草と敦盛草』のゆくえ」
  • 第23話「がま よし あし の生活戦略」
  • 第22話「植物の特異な性質」
  • 第21話「人間の呼吸、植物の『呼吸と光合成』のちがい・・」
  • 第20話「空気中の窒素と「植物・食物」とのかかわり」
  • 第19話「樹木は年々成長・太るのはどの部位でしょうか・・」
  • 第18話「どんぐりは落葉と常緑の二通りの子どもです」
  • 第17話「旅立ちはしたものの、着地点の種子は大丈夫か」
  • 第16話「種子の旅立ちには風・水・動物などが関係」
  • 第15話「草本の帰化植物は多いが、なぜか帰化樹木は少ない」
  • 第14話「イチョウの葉は広葉であっても広葉樹ではない・?」
  • 第13話「フィトンチッドと森林浴の関係について」
  • 第12話「ブルーマウンテン現象には複雑な要因がからむ」
  • 第11話「帆柱山系にはスギ林が多いのに、なぜ稚樹が芽生えないのか・・・?」
  • 第10話「落葉樹と常緑樹のいろんな特性」
  • 第9話「落葉樹の言い分、常緑樹の言い分」
  • 第8話「アザミの花粉放出の巧妙な仕掛け」
  • 第7話「今回はトゲトゲしい刺の話・・です」
  • 第6話「樹木同士がくっつく珍奇な現象を観察」
  • 第5話「南の島から渡来するアサギマダラ蝶の不思議・・・?」
  • 第4話「ネムノキはなぜ眠るのか・・?」
  • 第3話「イヌビワとイヌビワコバチとの共生関係」
  • 第2話「竹にまつわる不思議とは..?」
  • 第1話「蛎殻のついた岩」

植物談義

  • 第一話「八重ヤマブキの花はなぜ実をつけないのか?」
  • 第2話「マムシグサの雄花・雌花は転換します」
  • 第3話「ウツギやアジサイは同じようであって、同じでない・・のです」
  • 第4話「植物も昆虫も、花なしでは生き残れない」
  • 第5話「近辺には迷惑な植物も多いのです・・」
  • 第6話「植物は独立栄養、動物などは従属栄養で生きている」
  • 第7話「人生いろいろ、紅葉・黄葉もいろいろ」
  • 第8話「帆柱山系の樹木は百年以上も二酸化炭素を吸収」
  • 第9話「年の初めは「松竹梅」からスタート」
  • 第10話「帆柱山系に春到来、開花のトップはツバキ類」
  • 第11話「葉っぱの主脈・側脈は手相みたいなもの・・です」
  • 第12話「帆柱山系のサクラの名所を訪ねてみませんか」
  • 第13話「江戸時代・日本産植物にまつわる外国人の活躍の様子」
  • 第14話「帆柱山系の皇后スギ林の遺伝子は実生か、さし木か」
  • 第15話「木の文化の伝承こそ、森林を生き返らせるみちです」
  • 第16話「鎖国の時代も羨望の的であった日本の植物」
  • 第17話「シロダモの雌木はなぜこんな苦労をするのか」
  • 第18話「新春の植物談義は縁起物からスタートです」
  • 第19話「唐草のデザインはつる性植物を描いたものです」
  • 第20話「土筆はスギナの子か?・・団栗は坊ちゃんか?」
  • 第21話「植物の養分吸収は二系統あり・・そのちがいは」
  • 第22話「フタバアオイは黄門さまの印籠で有名」
  • 第23話「チャンチンとチャンチンモドキの話」
  • 第24話「帆柱山系の秋だより」
  • 第25話「皿倉山頂からの視界の限界は、何㎞先でしょうか?」
  • 第26話「深刻化する限界集落と森林の機能低下は一体的なもの」   
  • 第27話「 皿倉登山道路の沿線に15景の名所を選定」
  • 第28話「 花の色と昆虫の好みと、共進化のあゆみ」
  • 第29話「宵待草は竹久夢二が、月見草は太宰治が広めた植物」
  • 第30話「生きのびるために迷惑のかけどおし つる性植物」
  • 第31話「皿倉山のマツはほとんどが自然繁殖」
  • 第32話「源氏物語の作者・紫式部とムラサキシキブに係わる談義あれこれ」
  • 第33話「動きが顕著なツル性植物のいろいろ」
  • 第34話「帆柱山系の木々は、ただいま子育て真っ盛り」
  • 第35話「帆柱山系の植生も開国の余波を受けて国際的に・・」
  • 第36話「見た目も痛そうなアザミ、ノゲシ等は嫌われもの」
  • 第37話「ハート型のクロバー類も渡来品種です」
  • 第38話「帆柱山系のサクラは見どころいろいろ」
  • 第39話 秋は山の恵みが楽しみです。帆柱山系を訪ねて ヒトもイノシシもタヌキも期待しています。                
  • 第40話「一富士二鷹三茄子・その真実は」
  • 第41話「古代の北九州の森林林相は」
  • 第42話「木の個性の表現が樹種・そこにロマンや絆がいろいろ」
  • Home
  • 博士の自然講座
  • 森の不思議
  • 第9話「落葉樹の言い分、常緑樹の言い分」
View Categories

第9話「落葉樹の言い分、常緑樹の言い分」

< 1 min read

1.日本列島の森林帯とは・・・? #

九州は暖温帯気候・森林地帯は照葉樹林帯

 日本列島の大部分は、世界的にもまれな温暖で湿潤な気候環境に恵まれているため、ほとんどが森林で覆われている。(国土面積の64%が森林・世界規模では30%が森林)

 日本列島は南西から北東に細長く伸びている島国である。南と北では緯度にして約22度の差があるため、亜熱帯気候から亜寒帯気候に属する地域までが含まれている。(北海道の北方で45度~沖縄の南方で23度)                           

 関東地方から北海道にかけての北日本側は、寒冷気候のため落葉性のコナラやミズナラを中心にした夏緑林(落葉性広葉樹林)が発達している。

 また、本州中部以西(長野県付近)の南西日本は、温暖な気候のため常緑樹のシイ類、カシ類とクスノキ科を主体とした亜熱帯や暖温帯の常緑広葉樹林(照葉樹林)が極相林となっている。

 日本の森林帯は、本多博士の寒帯林~温帯林~暖帯林の3区分から、森林帯を7地帯に区分けする説まであって、ここでは亜寒帯林~冷温帯林~暖温帯林~亜熱帯林の4区分を採用。

亜熱帯林 ~ 沖縄県 → マングローブ・ガジュマル・アコウ・イタジイなどの常緑広葉樹林帯
暖御帯林 ~ 関東南部から九州 → カシ・シイ・クス・タブなどの常緑広葉樹林帯(照葉樹林)
冷温帯林 ~ 関東北部から北海道南部 → ブナ・ミズナラ・カエデ等の落葉広葉樹林帯(夏緑林)
亜寒帯林 ~ 北海道の北部と高山 → モミ属・トウヒ属などの常緑針葉樹林帯

2.帆柱山系の落葉樹と常緑樹はどっちが先住者か・? #

帆柱山頂付近の照葉樹林

 帆柱山系の森林帯は常緑広葉樹林帯に属しており、構成樹種から照葉樹林とも呼んでいます。 
 
 なのに、森林の一部では常緑樹と落葉樹の混交林が目立つし、また、常緑樹の勢力下に落葉広葉樹がポツポツと点在する状況から、不思議な勢力関係が見え隠れしています。どんな理由があるのでしょうか..?

 不思議な植物界の現象ですが、落葉性と常緑性の両者の言い分を聞いてみましょう。そこに解決の鍵がありそうな気がするんです..?

>常さん 『常緑樹の勢力下にどうして落葉樹が生えているのかな..?今は常緑樹だけど、昔は落葉樹であったかも..? 皿倉山ではどっちが先に住み着いたのだろうか?』

>落さん 『難しい問いだね。私の先祖の言い伝えでは落葉樹だそうだよ。地球上に初めて森林が茂ったときの樹木は落葉性だったというじゃないの..。』

>常さん 『先祖の話になると納得できないんだよ。僕んちの先祖は、常緑樹が先だと言ってたよ。地球上の気象変動は、寒気~暖気~冷気と度々大きく変わっているしね。』

>落さん 『皿倉山の北西斜面には、落葉性の樹木集団があることを知らない人が多いんだよ。なぜこの範囲だけが、そうなったんだろうね..。先祖のルーツを知りたいね。』

★大変な主張ですが、進化の過程をふくめて諸説の概略をまとめてみました。

★日本列島の形成前や形成後の植生、気候の温暖化や寒冷化並びに氷期の繰り返し、など陸上の植物にとっては激動の中を絶滅したり、生き残ったりで、先祖のルーツは歴史の変遷の中に証拠があります。それは常緑樹が先駆者の時代もあれば、落葉樹が先駆けた時代もあるということです。以下の2例は参考資料。

・白亜紀(1億4500万年~6500万年前)・温暖な気候・常緑針葉樹林が主体・被子植物の進出・後期には常緑広葉樹が主となり常緑針葉樹と混生

・第三紀始新世(5500万年~3800万年前)の後半・地球規模で寒冷化・北極圏周辺に亜寒帯性針葉樹林が成立

・夏緑林が南下し分布域拡大

3.常緑樹と落葉樹の葉のちがい #

耐久構造が長期か、短期か

皿倉山北西斜面の混交林

>常さん 落さんはいいなぁ。毎年春には新緑の喜びを、秋には紅葉の楽しみを人々に与えることができるのだから..。』
   
>落さん 常さんだって、一年をとおして緑がイッパイでうらやましいよ。落葉の性質も悪くはないんだけども、毎年付け替えるエネルギーは大変だよ。』

>常さん 『僕だって2~3年おきに落葉し、新葉を付け替えてはいるんだけど、その間はずっと二酸化炭素を吸収し、光合成の働きを止めるわけにはいかんのだよ。』

>落さん 『時には休みたいだろうね。だけど僕らより常さん達のお陰で大気の浄化が進んでいることを感謝しているよ。何たって落葉樹の葉は、耐久性がないんだから..。』

以下については、菊沢喜八郎著・落葉性とその由来(植物の世界・朝日百科)から一部抜粋したものです。

★夏緑性の樹木は、夏季には光合成が最も活発で多くの葉をつけている。秋季から冬季にかけて温度が下がり光合成の能力が低下すると落葉する。温度を体感する性質をもっていると考えられるが、不思議なことがいくつかある。

>A 森林帯の区分から判断して、寒い北方に行くほど落葉性樹種の種数、森林の中に占める落葉性の種の比率は増えるのが当然のようであるが、実はそうとはならない。

 常緑性の比率は熱帯多雨林と北方針葉樹林で高く見られるように、低緯度地帯と高緯度地帯で多く、落葉性は中緯度地帯で多いという傾向がある。これは温度だけで説明できない不思議な現象である。

>B 同一地域なのに必ず常緑性と落葉性の混生が見られることである。落葉性高木の下に常緑性の低木が林床に混じっている。また同じ気候の地域内に落葉性と常緑性の高木も混じっている。この事実は両者の性質が寒暖の気象条件だけで一方的に決められているのではないらしいことを暗示している。

  樹木の葉は、光合成生産量を高める上で機能発揮が高ければそのまま維持し、機能の低下がみられれば落葉し、次の開葉を図る性質を備え持つといえます。丈夫な葉と薄めの葉では、耐用に時間差が生じるのは当然です。

【 参考文献:生物の進化と多様性・岩槻邦男著 : 樹木社会学・渡邊定元著 : 森林の生態・菊沢喜八郎著 : 植物の世界・菊沢喜八郎著 : 日本の森林植生・山中二男著 : 他  】 

What are your Feelings
Share This Article :
  • Facebook
  • X
  • LinkedIn
  • Pinterest
Table of Contents
  • 1.日本列島の森林帯とは・・・?
  • 2.帆柱山系の落葉樹と常緑樹はどっちが先住者か・?
  • 3.常緑樹と落葉樹の葉のちがい

カテゴリ別

  • ガイド部会
  • ほばしら探検隊
  • 一般
  • 主催イベント
  • 事業部会
  • 愛護会活動
  • 最新情報
  • 植生班
  • 環境保全部会
  • 見ごろ
© 2006-2025 NPO法人帆柱自然公園愛護会, All rights reserved.