保全活動 爽健の森

🌲森をまもる日

11月1日。
山の空気はすこし冷たく、白い息がふわりとひろがります。気温は14℃。
葉っぱがゆらゆらと舞う道に、13人の保全部員たちが集まりました。 

「おはようございます!」
「今日は枯木の伐採です。」
朝のミーティングで作業の確認をすませると、
みんなはいつも大活躍の軽トラック―“あまね号”に道具を積みこみます。

チェーンソーに、のこぎり、ロープに、唐鍬。
どれも森を守るための大切な仲間たちです。

エンジンの音とともに、“あまね号”はゆっくりと森の奥へ。
権現周回路をぬけ、市瀬峠の東下り口から、爽健の森へと向かいます。

森の中はしんと静まり返っていました。
風の音と鳥の声だけが聞こえます。
ところどころで、倒れた枯木が道をふさいでいました。大雨や強風で倒れた木々が、何重にも重なり合っています。

「ここは、こっちから切ろうか。」
「じゃあ、私は向こうを片づけます。」
チェーンソー担当の部員を中心に、二つのチームが作業を始めました。

ウィーン、ウィーン……
木を切る音が、森にこだまします。
のこぎりの音、ロープの音、木々が軋む音。
そのひとつひとつが、森の息づかいのようでした。

途中、立ち枯れの木を見つけた部員が声を上げました。
「この木、横木に使えるかもしれない。」
その木は大切に伐られ、道を支える横木として生まれ変わりました。

お昼を過ぎたころ、二つのチームが合流しました。
「おつかれさまです!」
木の切り株を囲んで、あたたかいお弁当をひろげます。笑い声と湯気が、森の空気にやさしくとけていきました。

午後の光が差しこむころ、作業はほとんど終わっていました。
森の道は明るくなり、風が通りぬけます。

「今日もいい仕事ができたね。」
「森がよろこんでるよ。」

あまね号に道具を積み直し、みんなはゆっくりと帰り道へ。
夕日が木々の間からのぞき、オレンジ色の光が森を包みます。

ざわざわ……
木の葉がやさしく揺れていました。
まるで、「ありがとう」と言っているみたいに。(T.Y)

月に一度の清掃登山(10月)

10月26日、一般参加者14名、スタッフ18名の総勢32名が参加し、皿倉山で清掃登山を行いました。
10月からは集合時間が通常の午前10時に戻り、活動前には安全対策として氏名・緊急連絡先を記入した名札を着用することになりました。

出発前には、スタッフより体調管理や事故防止に関する注意事項の説明があり、しっかりと準備体操を行ってからスタート。 


朝晩はすっかり涼しくなったものの、登るうちにじんわりと汗ばむ心地よい気候の中、参加者たちは黙々とゴミを拾いながら進みました。

途中、先頭リーダーの合図で2合目にて休憩。水分補給や服装の調整、飴の配布を行い、体をリフレッシュ。
さらに4合目・6合目でも休憩をはさみ、山頂を目指しました。 

道中では、珍しい植物を見つけるたびに植物に詳しいスタッフによる**“臨時植物観察会”**が開かれ、参加者たちは興味深そうに耳を傾けていました。

そして正午を少し過ぎたころ、全員無事にビジターセンターへ到着!
名札を回収したあと、恒例の集合写真撮影を行い、センター裏の東屋で反省会を実施しました。

甘いお菓子とお茶を囲みながら、心地よい風が疲れを癒やしてくれました。そして、笑顔あふれる参加者の皆さんの表情がとても印象的でした。  (T.Y)

🍀次回の清掃登山にも、ぜひご参加ください!

九州自然歩道パトロール

🌲10月12日 パトロール日記🌲

朝の冷たい空気に、ほんのり秋の香りが混じるころ。ヤマボウシ小屋には、保全部の仲間たち16名とガイド部の1名、合わせて17名が集まりました。

今日はパトロールの日。
顔を合わせるたびに笑顔がこぼれ、空気がふっと明るくなります。

「人数が多いから、今日は2チームに分かれよう!」
そんな声が上がり、AチームとBチームに分かれることに。
新しく導入されたホワイトボード!
写真にも残して、次の活動のヒントに――
小さな工夫の積み重ねが、この会を少しずつ進化させていきます。

Aチームは左回りで権現山周回路を進み、九州自然歩道を抜けて爽健の森へ。
Bチームはその逆、右回りから爽健の森を経て自然歩道へ向かいます。

それぞれのチームには、
リーダー、記録係、写真撮影係、ホワイトボード係、時刻報告係……
役割がすっと決まり、息の合ったスタート。

昼を少し過ぎたころ、市瀬峠登山口で再び全員が合流しました。
おにぎりの香り、湯気の立つ味噌汁、笑い声。
山の静けさの中に、あたたかな時間が流れます。

午後は登りが続く道のり。
特に九州自然歩道は、初心者にはなかなかの試練です。
それでも、誰かが声をかけます。
「あと少しよ、頑張ろう!」

その言葉が、足取りを軽くしてくれます。
息を切らせながらも、笑顔を忘れずに――        キノコたちも応援してくれています。

全員が無事、権現山周回路へたどり着きました。

今日もまた、自然と仲間に感謝の一日です🌿 (T.Y)

刈払機点検と草刈り〜Part2〜

9月の森は、やわらかな風に包まれていました。
朝晩のひんやりとした空気が、みんなの心を落ち着かせます。

9月20日。
10人の仲間たちが集まりました。

「雨がふる前に、やりとげよう」
そんな気持ちを胸に、みんなはすぐに外へ。

斜面に立つベテランの仲間。
刈払機を構えるその背中には、長い年月で育まれた自信と、「仲間を守る」という静かな責任感がありました。

一方で、平らな場所を担当する女性の仲間たち。
草を刈る手はていねいで、表情は真剣そのもの。
「わたしたちも役に立ちたい」
そんな思いが、黙々とした作業の中に込められていました。

春につづく2回目の草刈り。
「あのときより、きっと上手になっている」
心の中で小さな自信が芽を出し、それが作業をすすめる力になっていました。

空からぽつりと雨が落ちはじめたとき――
みんなの心には、達成感が広がっていました。
「間に合った」「やりとげた」
胸の奥がふっと温かくなる瞬間です。

作業のあと、ベテランの仲間が燃料を準備する姿を見守る部員たち。
その瞳には、尊敬と憧れと、
「いつか自分も」という未来への思いが映っていました。

刈払機の音が耳に残り、草のにおいが体をつつむ。
その中で生まれた笑顔は、努力と学びのあかしのように輝いていました。         (T.Y)

      『皿倉シスターズ』